転職成功者インタビュー

住友重機械工業株式会社
真瀬宏樹さん(仮名・研究開発) 36歳

仕事も生活も妥協しない転職が実現。地元で自分の専門性を活かせる企業と出会えた。

大学院で取り組んだ材料研究の知見を活かし、自動車メーカーで部品や材料の研究開発に携わっていた真瀬さん。長男としての役割を果たしたいという思いから、地元である愛媛県へのUターンを検討していたものの、「自分の専門性が活かせる、やりがいのある仕事が愛媛県にあるのか?」という不安があった。

しかし、リージョナルキャリア愛媛と出会い、専門性を活かしたキャリアアップが実現したという。「仕事も家族との生活も、妥協しなくて良かった」と語ってくれた真瀬さんの転職体験談を紹介する。

※本記事の内容は、2022年11月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで99日間

転職前

業種
自動車メーカー
職種
研究開発
業務内容
自動車用エンジン・モーター部品および材料の研究・開発

転職後

業種
機械メーカー
職種
研究開発
業務内容
新成形プロセスの要素技術開発、将来の材料基盤技術の研究および各事業部不具合部品の解析

念入りな企業研究と会社見学で、入社前から具体的なイメージを持てた。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

住友重機械工業株式会社の技術研究所 材料技術グループで、産業機器事業部と連携して、自動車メーカーや自動車部品メーカー向けの鍛造プレス機や製造プロセスの要素技術の研究開発をしています。

例えば新しいプレス機の開発により、部品を高強度化して自動車全体を軽量化することができたり、設計自由度の高い複雑な形状の部品が製造できるようになるなど、自動車の狭いレイアウトの中でも納まる最適な部品を成形できるようになります。

もう一つの業務は、各事業部の将来事業に貢献するための材料基盤技術の研究に携わっています。お客様の声や世の中の変化を見ながら、10年後以降にどのような製品が求められるのか、どのような技術開発に取り組んでいくべきかを考えています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学、大学院では機械工学を専攻し、中でもアルミニウムやマグネシウムなどの軽合金と言われる材料の研究をしていました。

修了後は、自動車メーカーの材料開発部で、エンジンやモーターなどの部品に関する材料技術部員として、部品の評価や材料自体の開発、海外向けの自動車部品の開発などに携わりました。

主に鉄部品の研究開発をしていましたので、大学院時代の軽合金材料と鉄の両材質の知識を持つ専門性を活かして、従来の材質が鉄である部品をアルミニウムに置換するプロジェクトでは開発リーダーとして取り組んでいました。

転職のきっかけは?

いつ愛媛に帰るのかという時期は特に決めていませんでしたが、長男として、両親の将来のことも考えていずれは地元に帰りたいなとは考えていました。

前職での仕事をある程度やりきったという思いや、子どもが小学校に入学する前のタイミングだったこともUターン転職を考えるきっかけとなりました。

子どもが小学校を卒業した後の十数年後にUターンするとしたら、子どもにとって生活環境が変わることのハードルが今よりもあがってしまうのでは、という懸念がありました。それなら今のうちから愛媛へのUターン転職を検討してみようと思うようになりました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずは情報収集から始めようと思い、転職サイトに登録をしたら、リージョナルキャリア愛媛のコンサルタントである溝渕さんからスカウトメールをいただきました。

その時は、まだ仕事も忙しい時期で、スカウトメールの内容を少しずつ見ながら検討している段階でしたが、半年ぐらい経ち、仕事の一区切りがついたところで、溝渕さんのスカウトメールに返信をして、愛媛県への転職について相談をしました。

相談する前は、「愛媛県に帰ったらやりたい仕事は選べないんじゃないかな・・・」という不安がありましたが、前職での経験ややりがいなどを溝渕さんとじっくり話していくことで、現職である技術研究所なら私の経験を活かせる可能性があるのではないか、と提案してくれました。

「前職での経験と技術研究所の取り組みが合致している点を整理して、活かせる経験やスキルをしっかりアピールしていく必要がある」とのアドバイスを受けて、まずは、会社のホームページや公開されている記事を見ながら、技術研究所がどのような研究開発に取り組んでいるのか、企業研究を重ねました。

今の会社に決めたポイントは?

企業研究をしていくうちに、「住友重機械工業であれば、様々な事業部と連携しながらいろいろな製品の材料開発に携われるのではないか」と想像がふくらみ、興味を持ちました。

実際に選考が進んで、面接では会社や仕事内容について話を聞いたり、工場や技術研究所を見学させてもらえたことで、より詳しくイメージができて「おもしろそう!」と思いました。

私はもともと自動車や機械が好きで自動車メーカーに入社しましたので、今度は自動車以外のいろいろな機械で経験を活かせると感じて、すごく興味が湧きましたね。

実際にクレーンや鍛造プレス機といった機械を見ながら、材料の領域から技術開発にアプローチできるという点は、自分の持ち味を活かせると思いました。

また、前職の自動車と同じように、最終製品の開発に携われるので、製品を使っていただけるお客様への貢献が実感できると思いました。

転職したことで視野が広がり、乗り越えたい新たな壁もできた。成長を感じる充実の日々。

転職していかがですか?

技術研究所には数十名が在籍していて、20代~30代の若い世代が多いです。直属の上司も相談しやすく、個人的には風通しが良いなと感じています。全体的に静かな雰囲気ではありますが、他事業部との開発プロジェクトでは意見交換も活発です。

入社して研究開発に取り組んでみると、自分の専門性が活かせる部分がいくつかありました。今は、自動車部品を製造するプレス機の開発に携わっていますので、自動車業界経験者として自動車の開発プロセスや自動車の特性、品質を理解した上で、自動車メーカーに向けて製品提案ができるのではないかと考えています。

それから、今までは鉄が使われている製品の軽量化を目指して別の材料でアプローチしていくという取り組みにも、前職での材料置換の経験が活かせていると思います。

一方で、将来必要とされるプレス機を検討する仕事や、リーダー的なポジションとして後輩の育成も任されるようになったことは、非常に責任も重いので、これまでにない壁にもぶつかっていると感じています。

ただ、転職したからこその新たな壁ですし、挑戦してなんとか乗り越えていきたいと思っています。

転職して良かったと思うことは?

「会社の常識は社会の非常識」と前職の会社ではよく言われていたので、転職したことで新しい環境を知り、新しい視野を持つことができる良い経験になったと思います。

例えば、モノづくりにおける開発の進め方についても、前職ではじっくり細かく慎重に進めるというスタイルでしたが、今はスピード感を持って大胆に進めていく必要があります。そういった環境の変化や仕事の仕方の違いに順応していくことは、自分の成長に繋がると感じています。

あとは、材料開発という面で、これまでの自分の専門性を活かせることや、最終製品に材料からアプローチできるという点が似ているので働きやすさがあります。

プライベートでは、両親が近くに住んでいるので、3人の子育てを助けてもらえることがありがたいなと思います。何よりも、両親がとても幸せそうです。私が、もう愛媛には帰ってこないものだと思っていたそうで、「田んぼや土地、お墓などどうしようか・・・」と悩んでいたようです。

家系がとぎれやすい時代ですが、父親が家系を大切にしているところがありますので、こうして私が愛媛に戻ることができて、長男としての責任を果たせたような気持ちにもなっています。

妻も仕事を始めることができましたし、子どもも今年の春から小学校に入学して新しい土地に馴染んでくれていて、子どもの小学校入学前に愛媛で生活基盤を整えておきたいという思いが叶えられたと思います。

困っていることや課題はありますか?

最近は、お客様と対面で話をする機会も増えてきています。東京や海外への出張もありますが、その時に四国を出るまでの道のりが少し大変だなとは感じます。

また、仕事面では、入社するときに人事から言われた「住友重機械工業になじんで、なじまないで」という言葉が印象的で、「ここは自分の経験や持ち味を活かして変えていきたい」、または「今の会社が大切にしている点に対しては、あまり自分の主張を押しつけすぎてもいけない」というように、バランスをとるのが難しいところですね。

生活面の変化はありましたか?

入社して数ヶ月は前職よりも帰る時間が早かったですが、転職して1年が経ち、任せてもらえることも増えてきて最近はとても忙しくなりましたね。プライベートでは、やはり両親のサポートを受けられるので子育てがしやすくなったと感じています。

以前住んでいたところは海が近くになかったのですが、今は海も山も近く、休日には家族でバーベキューや釣りができて、子どもたちも楽しんでいます。

私も昨年、地元に帰ったら実現したいと思っていた石鎚山に登ることができましたし、趣味のゴルフも楽しめています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

やはり「妥協しないこと」だと言えます。私も最初は、「地元で転職すると仕事は選べないんじゃないか」と不安に思っていましたし、もし、Uターンだけを目的にして仕事に拘らずに転職していたら、仕事への思いややりがいは完全になくなっていたかもしれないと思います。

転職する理由にもよると思いますが、妥協をせずに、できるだけ希望が叶う環境を追求することですね。特に仕事面では「より上へ」とキャリアアップを求めても良いのではないかなと思うようになりました。

転職活動は、最初は躊躇することもあると思いますが、まず調べて他の選択肢を知るということも大事ですし、転職活動自体はマイナスじゃないと思います。

その結果、自分が求めている基準に対して転職した方が良いと感じたら一歩踏み出したら良いし、転職しない方が良いなと思ったらしなくても良いと思います。

自分が転職後に求めている基準をある程度明らかにしたうえで、「妥協しない転職」を検討されることをぜひおすすめしたいです。私自身は妥協しなくて良かったと思っています。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
溝渕 愛子

真瀬さんと最初にお話したとき、やりがいのある仕事を任されていることや、真瀬さんならではの技術や知識を活かし、会社に意欲的に貢献されていると感じました。

加えて、長男としての役割を果たしたいとの思いから愛媛へのUターンを検討されるなかで、「愛媛に帰っても、経験を活かして活躍したい」という強い想いをお持ちであることが伝わってきました。

その想いを受けて、「愛媛に帰っても今と同じくらいやりがいを感じていただきたい」と、真瀬さんが持つ材料研究のスキルがどのように活かせるのか、何度も相談を重ねながらご支援させていただきました。

入社数ヶ月後に真瀬さんから「やりがいのあるポジションを与えられ、転職して良かった」とメールをいただいたことを、昨日のことのように覚えています。

今回こうして1年以上の月日を経てインタビューを受けてくださり、転職活動のことを一緒に振り返ることができ、嬉しく思います。今後ますますのご活躍を楽しみにしています。

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